The Dragon Scroll

Be just and fear not.

政府CIO補佐官を拝命いたしました。

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 4月1日から政府CIO補佐官を拝命致しました。

補佐官とは? https://cio.go.jp/hosakan

  フルタイムではなく兼務です。メインは従前のとおりとなります。公の仕事になりますから、個人の属する組織とは全く別、関わりなく、業務にあたってまいります。

 なぜ、政府CIO補佐官をつとめようと考えたのか、その理由はもちろん前回の記事に基づきます。

papanda.hatenablog.com

 「日本のDXを進めていく方面は3つある。大企業と、地方アトツギと、そして残る一つが国である」と考えています。いずれもこれまでの日本社会を支えてきたプレイヤーです。そうした役割がとてつもない逆境に置かれている。それは、これまでの意思決定に基づくところであり、必然と言えるのでしょう。

 ですが前回書いたとおり、「過去の栄光の中を、あるいは10年20年後の絶望の淵を生きているわけでもなく、今を生きている」という思いからすると、今日起こせる不確実性を諦めるにはまだ早いのです。

 そして、そうした逆境に真っ先に乗り出していった方が良いのは、20-30歳代の、これからの希望を作り積み上げていく世代ではなく、私たちのような世代です。既にこれまで油っこい環境に身を置いてきた過去がある世代(かつ、もちろん専門的な知見を有していること)。

 まさに、次の時代を作るのは老人ではない、のです (クワトロ・バジーナ大尉)。自嘲ではなく、自然とそういう思いに至ったとき、いままでとは異なる内なる動機の高まりに気づくことができたのです。それが、自分たちを取り巻く環境、すなわち社会をよりよい状況へ進めるために自分ができることをすること。明日の破滅的な確実性を変えるために、今日の不確実性を高めること。

 大企業で油まみれのDXを進めることも、地方アトツギとともに何もないところから何かを生み出していこうとすることも、そして、国という、自分の最も基礎的な環境でありながら、最も遠くに感じる場所を少しでも変えていこうとすることも。私にとって、すべて、今日できる不確実性を高める行為なのです。

 国の中に踏み込んでいこうと考えたのは、このプロジェクトがきっかけでした。

www.slideshare.net

 国プロジェクトを仮説検証とアジャイルで進めていく。そうした活動は一定、結果に迫れたものの、外側からのアプローチでは乗り越えられない壁が大きすぎる。この文脈は中側で、取り組んでいくより他、現状はないのではないか。「既にある組織に属する」という働き方から離れていたわけですが、そうした考えも変え、今回臨むことに致しました。

 政府CIO補佐官での活動は、具体的には政府DXにおけるサービスデザイン(仮説検証)とアジャイル開発の実践、伴走、啓蒙ということになる予定です。そして、私のパーソナリティからすると、コミュニティとの繋ぎを作っていくこと、コミュニティ自体を形成していくことも、できることの一つです。これまで同様、あるいはこれまで以上に、周囲の方の協力をお願いすることになるかと思います。どうぞ、引き続きよろしくお願い致します。