The Dragon Scroll

Be just and fear not.

アジャイルブリゲードと、クロノマネジメント

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 デブサミ2021に登壇しました。

  ギリギリで開催できた2020年のデブサミから1年。デブサミとしては初のオンライン開催になったわけですが、長くやってみるもので、これはまた貴重な体験をさせていただきました。

 デブサミといえば雅叙園で、雅叙園といえば映画館のような場所でセッションができるという、まさしくハレ舞台。あの壇上には、格段の緊張感と高揚感をもたらす、魅惑があります。

 今年は、いつものミーティング場所、つまり自宅から、いつものZoom背景画像に載せて、お送りさせていただきました。いつもの場所の上に、参加者の人数も見えずで、緊張しようがないように見えて、不思議と胸が高まりました。やはりデブサミは違う。

 …と私のほうが「特別な機会」として認識しているからなのでしょうね。今年のお話は、DXにおける組織パターンアジャイルブリゲード」について。

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 この1年はあらたにレッドジャーニーという会社で、DXへの取り組みに振り切ってきました。リモートワークの効率性をフル活用して、働き倒した1年でした。こんなに働いたのは、前職の1年目以来というか、過去最高に仕事に浸かりました。

 新しい領域に踏み込み際はいつものことで「いかにブレーキを壊すか」で臨みます。持続可能性の観点を一時的にでも捨てる。そして量を求める。ある一定の期間において、どれだけ密度を高めるかです。密度を高める分、次の時間軸(例えば3ヶ月、半年後)で、圧倒的な実践知に基づく動き方を早速取ることができます。高速にコルブの経験学習モデルを回すイメージ。

 当然、長続きはできないので、区切りを意識する必要があります。「アジャイルブリゲード」中の、ブリッツ・トラストと同じ考え方です。

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 「持続可能性」と「全集中」というあり方の間で、二項動態を目指すイメージと言っても良いです。一見相反する2つの概念を並び成り立たせるためには、時間が鍵。タイムボックスや傾きがマネジメント上の操作レバーというイメージです。このあたりは、「段階と断面のマネジメント」の考え方の元にあたります。

 従来のタイムマネジメントだと、効率性、生産性が対象にあがることが多いですね。ここでいう時のマネジメントとは、期待する成果をあげるために時間に関するパラメータ(長さだったり、密度)を調整するものです。誤解を生まないようにタイムマネジメントではなく「クロノマネジメント」とでも呼称しておきたいと思っています。

 「時間」という概念をより機能的に活用していくのは、「これから」の切り口になりえると考えています。「これまで」は場所が王様で、一極集中、限られた土地における人とモノの密度を高めていた時代でした。そこで発生したコロナ禍とは、場所からの強制的な解放イベントという見方ができます。問われるのは「利便性の高い場所」ではなく、時間とどううまくつきあっていくか。リモートワークに移行してやたらと働き詰めになった、というのは誰しもが感じているところではないでしょうか。よりマネジメントすべきもの、デザインするものの対象が変わっているわけです。

 こうした概念学習とともに、この1年でもう一つ得たのは「寄る年波」です。自分自身に流れている時間の経過も感じ取れたのは、思いの他でした。心身の健康大事。