The Dragon Scroll

Be just and fear not.

「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」を発刊してました。

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 書籍「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」を発刊して、1ヶ月経ちました。重版出来です。

 この数年デジタルトランスフォーメーションの名のもとに取り組まれる、新規事業や組織活動の支援に入ることが増えました。この赤い本は、そうした活動から得られた知見からまとめた一冊になります。

 何か新たな活動をはじめる際に一つ心得ている指針があります。それは量を目指す。それも圧倒的な量を目指すことです。新たな分野を学ぶにはまず10冊本を買って読めという話ありますよね。あれは真なりと思います。

 最初からやっていることの意味や効率性を問うたところで、その結果の判断なんて対してできません。結果を判断するための基準が鍛えられていないからです。そうした基準は実地の経験から鍛え上げられるものです。

 結果から学びを得て、次の意思決定の質を高める、そして行動の質も高める。こうした動きのことを「適応」と呼びます。より早く、より的を射る適応を行うためには、最初期の段階でぐっと経験量、経験に基づく知識を増やすことが早道です。アジャイルが言っていることも要はそういうことです。

 時間軸上、前詰めの感覚を持つことには意義があります。早く意思決定の質が高まれば、当然それ以降のアップデートされた時間帯が早く始まり、長くなる。適応は重ねていくものですから、その上でさらに鍛え上げを積み重ねられる。私が最初の持続可能性をあえて捨てて、全力で物事を始めるのはそんなことを狙ってのことです。この赤い本もまた「高速適応」が生み出した副産物と言えます。

 

 翻って、組織の適応も早く1周目を終えること、ここが変革の山場であり、そういう意味で山場は最初に来るべきと捉えたほうが良いとなります。大局的には真の山場は3年後なのかもしれませんが、手元の適応はいかに1周目を早く、2周目を早く回すか。伝統的な組織の時間軸で評価(例えば期末評価)が行われる前に早く、早く。

 それがなかなか出来ないところに、日本組織の最大の課題があるように思えてなりません。このギャップを乗り越えられる組織が一つでも出てくるよう、足掻いています。

 1周目を終えたときに、どんな風景が見えるのか。それは、周回を先に行ったものにしか見えないものです。この本を通じて、そんな風景を眺める人が出てくることを、そしてそうした人と組織変革への挑戦をともにしたいと思っています。