The Dragon Scroll

Be just and fear not.

勉強会をやってみたいと思った。

忙しい合間を縫って、社内勉強会を立ち上げました。
以前からやりたいと思っていたのですが、思いだけでは、
掛け声だけで、終わりそうな気がしたので、少し計画を
練っていました。
せっかく始めるからには、やはり定期的に、続けられる
勉強会が良いと思っていました。


勉強会の方式について参考にしたのは、こちらの記事です。
http://kakutani.com/wiki/articles/?LifeHacksPress
とても参考になりました。著者の方には、感謝しています。

なぜ勉強会をするのか?

私が、勉強会をやろうと思った理由は三つあります。


一つは、勉強会に参加する方々と、意見を交換して、自分の考えに
対するフィードバックを得たかったということです。
自分なりに、勉強なり、本を読むなりしていると、自分の考えた
ことが、他の人にとってはどうなのか、その意見を聞きたくなります。
例えば、モデリングした結果、できたモデル図を、他の人が見た場合
どう考え、どう判断するのだろうかと。
これという正解のないことを、やっていると、こういう思いに
駆られるものです。


二つ目は、自分では調べきれないことを参加者に調べてもらって
そのフィードバックを得ることです。
例えば、暗号化技術や動画配信サービスなど、重要な技術であるし
自分も興味をもつものであっても、中々他との兼ね合いで
自分が調べてみようと思うところまで行き着かない場合があります。
自分の中で、その他に、優先度の高い項目があるわけです。
そういう、自分の中で優先度は低いが、いずれは調べてみたいと
思っていることについて、既に調べている方や、優先度を高めに設定
している方がいれば、その方からフィードバックを受けた方が
効率的です。
これは逆も言えて、私が既に調べていることは、相手にフィード
バックすることができるかもしれないのです。
学習のGive and Takeですね。


三つ目は、勉強会が良い雰囲気・影響をもたらすのではないかという
期待があったからです。
情報の共有が当然の如く掲げられる昨今、それにもかかわらず
中々にして、共有が進まないケースもあります。
同じ職場で働いている者が、何を考え、何に興味を持って、
今まではどんな仕事をしてきて、今は何をしていて、
これからはどうしていきたいと思っているのか。
さらに、何に困っていて、どんな成果を上げて、どのようなスキルを
持っているのか、見えないことの方が多いのではないでしょうか。
もちろん個人ベースの付き合いの中で、既に"見えて"いることもあります。
しかし、それはあくまで個人ベースであり、組織が、次のステップに
進める土壌とは思えません。


作業の"見える化"は良く言われることで、仕組み化されているケースも
あることでしょう。
しかし、"思い"や"考え"の"見える化"は、難しい。
自分の"思い"や"考え"、"状態"を、"少しオフィシャル"に共有できる場が
あった方が良いと思っています。
お互いの持っているものの理解を深めることや、勉強会の成果を
発信することで、仕事の上で新しい可能性が生まれると私は思っています。


三つ目の期待はあくまで、期待です。
一つ目と二つ目の効果が、出てきたら幸いだ、くらいに思っています。

どうやって進めるのか?

勉強会を続けることは、難しい課題です。
そこで、自分なりに勉強会に参加する時の気持ちを考えてみました。
例えば、参加必須の研修の時はどんな気持ちになるか。
参加必須というのが、重荷になることがあるんですね。
その上、内容に興味が持てない場合、さらに苦痛になってきます。
仕事と割り切って、参加するしかありません。


一方、自分が興味を持っていることについてのセミナーは楽しみで
しょうがない。社外で開催される様々なセミナーに、疲れていようと
忙しかろうと、時間を事前になんとか作り出して、是が非でも
参加しようとします。それでも、都合がつかず、参加できない時の
あの落胆ぶりといったら、もう。
呪いの言葉も一つや二つ出てきます。
そのくらい、自分のベクトルと一致するかが重要だと思うわけです。


形式も重要です。
ただ単に、渡されたドキュメントを講師が読み上げるような研修に
あたったら、悲しみにすら襲われます。
その読み上げるドキュメント、我々が黙読すればそれで良いではないか。
それ以上に、事前に配布してくれれば、わざわざ貴重な時間を明け渡さずに
済むじゃないか、と。
時間を他人と共有する行為は、非常に重要で、かつ貴重だと思うべきです。
相手は、わざわざ忙しいところ、時間を割いてくれたわけです。
この時間というのは、誰しも有限のもので、今日の30分を明日から
持ってくることはできないのです。
いわば、自分の命(=時間)の一部を、相手に預けるわけです。
そうまでして、参加したセミナーで生ぬるいことをやられたら、
とてもじゃありませんが、文句の一つも言いたくなるものです。


しかし、勿論、参加者全員の思いを全てかなえるような勉強会など
できるわけがありません。
そこで、方式については、参加者が自ら考え、参加者で決めては
どうかと思い当たりました。
5W1Hを、全員で決めるわけです。
そうすれば、参加者は少なくとも、全く不満しか残らないということは
ないでしょう。
考えた末、ファシリテーションの教えを借りることにしました。
まず第一に、相手の"思い"を大切にする。
人から押し付けられる勉強会ではなく、参加者で考えていく勉強会。
関係がフラットで、誰でもが主役になれる勉強会。
面白いと思いました。


今は、スタートラインに立ったばかりで、参加者の人数も少ない状況です。
しかし、呼びかけに応じてくれた方に、とても感謝をしています。
人数ばかり多いだけでは、烏合の衆になりかねません。
本当にやる気のある人が集まれば、それで良いと思いました。
後は、内容次第で、野次馬的に参加する人も出てくるでしょう。
その中から、さらにやる気のある方が出てくれば、尚良いかなと。
今後、どんな新しい可能性が生まれていくか、楽しみでなりません。
この"楽しさ"、"楽しみ"こそが、勉強会の大切な要素ですね。