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10の症状に学ぶ要求定義のエクササイズ136

久々にがつんと、来ました。

10の症状に学ぶ要求定義のエクササイズ136

10の症状に学ぶ要求定義のエクササイズ136


前作「要求定義のチェックポイント427」は、要求定義フェーズにおける、
考え方や課題に対するチェックリスト集でした。

要求定義のチェックポイント427

要求定義のチェックポイント427

相当細かい内容で、今でも良く目を通す
頼りになる一冊です。


今回の『エクササイズ』は応用編と言ったところ
でしょうか。
仮想の「事件」を例として、その原因と予防策、
そして治療策を語っています。


この「事件」がかなり現実的で、良くある状況
に陥っているんですねー。


例えば、一話目は、
「いつの間にか膨張する仕様」
 最初は順調に見えたプロジェクトが、要求定義フェーズが
 完了しても、要件が定まらない。
 それどころか定期的に増えていく…。
 なんとか、これ以上の要求は抑え込もうとするが、
 「これでは業務がまわらない」という顧客の言葉に一蹴される。
 コーティングフェーズに入っても、顧客からの要求は
 止まらず、やがてプロジェクトは破綻していく…


どこかで聞いたことがある話ではないでしょうか。
これに対して、本書では、

  • 開発組織の問題
  • 顧客組織の問題
  • 業務のASISの問題
  • 業務のTOBEの問題

という4つの切り口で、原因と予防策を展開してきます。
開発側だけの問題ではない。
顧客側の課題、業務の捉え方の問題もある。


内容は、良くある理論倒れの説教ではありません。
まるで、隣に苦労してきた先輩が居て、ああだこうだと語っているかの
如く、泥臭さも備えた処方箋です。


デスマに立ち向かう全てのエンジニアに贈る一冊です。