ふりかえり(7)〜お客様は神様ですか?
私は、結果的に3年間、同じ客先に常駐することになりました。
この間、様々な経験をしました。
まず、私の場合、OJTが実質、無かったため、ほとんど客先の方に
育ててもらいました。
設計から、コーティング、テスト、仕事の段取り・進め方
ドキュメントの作成方法…。
幸運だったのは、世話を焼いてくれたお客さんが、本当に丁寧に
モノゴトを教えてくれたことです。エンジニアとしても優秀な方で、
「この人に認めてもらうために、がんばろう!」と、若かりしあの頃は過酷な客先常駐も乗り切っていました。
また、この常駐では、扱うシステムが非常に高い品質を
求められるものであったために嫌という程、テストと付き合ってきました。
もちろん、バリバリのへビィなウォーターフォール型の開発で、
設計工程で品質を作り込み、半端な量ではないレビューもこなします。
開発期間の半分位は、テスト期間で、回帰テストにかける時間が
最も多くなりました。何万件という数のテストになります。
「不具合0件」
これが、求められる品質の基準です。
そこには、「プログラムなんて、バグがあって当然さ」という
甘えは許されません。
相当なプレッシャーの元、設計・開発・テストを行わなければなりません。
さらに、それ以上に強い効率化の要求…。
当時の不況下では、顧客も収益をあげるのに必死で、外注会社には
効率化という名の、見積もり削減が要求されていました。
それに対し、こちらの会社は、ほとんど外注さんで構成され、
単価差額で、儲けようという算段。
しかし、単価を叩かれてやってくる外注さんの生産性が
高いためしがなく、しわ寄せが当然のようにやってくる…。
厳しい工数、厳しい体制、厳しい品質…。
当時、NHKのプロジェクトXを見ながら、私は、自分にとっての
地上の星がどこにあるのか、いつも考えていました。