The Dragon Scroll

Be just and fear not.

システムを創る目的を取り戻すために、この仕事をしているのか。システムを創る目的を果たすために、この仕事をしているのか。

ソフトウェアを開発する、システムを構築する目的というのは
何だろうか。
それは、会社や業界が掲げるものではなくて、開発や構築を生業としている
人たち自身が持つ、目的のこと。


納期やコストや品質の基準をクリアすることは、それ自体は
最終的な目的ではない。
そのシステムを動かしたとき得られる、今までにはこの世には
存在していなかった、新しいサービス、新しい機能、これらを通して、
価値を提供すること。
ソフトウェア開発の目的は、社会に対して価値を提供すること、
そう捉えている。


店に並ばなくても予約をして、自宅まで配送を頼むことが
できるようになる。
使い勝手が悪く、無駄に嵩んでいた保守費用を押さえることが
できるようになる。
人手や時間がかかっていた業務に、手を煩わされることが
なくなる。それによって、本当にやりたい別のことができるようになる。


社会に新しい価値をもたらすことは、社会を変えること、
そのものだと思う。


でも、この業界の現状は、そうではない。大多数の局面において
そこまで到達していないんじゃないか。


プロジェクトはデスマに陥り、システムは動かない。
自分たちが作り出した制約によって、縛られ
何か歪な可笑しなモノが出来上がる。あるいはそれすら出来上がらない。
妥協の産物が出来上がる。あるいはそれすら出来上がらない。
何度も何度も同じような過ちを繰り返す。
このデスマは、いつかのデスマじゃないのか。


それを変えたいと思うからこそ、頭をひねり、考え、行動する。


システムを創る目的を取り戻すために、この仕事をしているのか。
システムを創る目的を果たすために、この仕事をしているのか。


時々、私はどちらのレールに乗っているか、確かめている。