The Dragon Scroll

Be just and fear not.

彼らは、自分たちの哲学に則り、実際の行動を起こす。しかも徹底的に。

社会に出て、8年経った。あと4ヶ月で、30歳になる。
自分が新入社員だったときに居た、29歳の先輩のことを
思い出した。
私の最初の職場は、29歳の彼が一番若手になるという、
かなりおっさん率の高い職場だった。
なぜか、今や、彼のことを、何も思い出すことができない。


私は、会社を、3社渡り歩き、それぞれの場所で、
様々な人々と出会い、一緒仕事をさせてもらってきた。
エンジニアの仕事は、面白い。
システムという、モノを創り出す行為というのは、
何歳になっても、楽しい。
そのことと同じくらい、面白いのが、そこに
居る人々と出会うことだ。
人の数だけ色々なタイプの人間がいる。
考え方、行動、紡ぎ出す言葉、人によって違う。
人を楽しい気持ちにさせる人。
人を暗い気持ちにさせる人。
人をいらだたしい気持ちにさせる人。
人を絶望の淵に追いやる人。


一緒に行動を共にしていると、いつの間にか自分が、
彼のことをリスペクトしている。
彼の言動によって、自分に多くの気付きが生まれる。
彼から多くのものを学び取ることができる。
そんな人もいる。
そんな人と一緒に居られることは、幸せであるし、
奇跡と呼んでも良いと思う。
自分が、どういう人にリスペクトを感じるかを
振り返ってみたときに気付いたことがある。


まず、年齢は関係ない。
自分と同じ年だろうと、年下だろうと、関係ない。
距離も関係ない。
自分の身近にいるか、遠くにいるかは、関係ない。
遠くにいようとも、彼をリスペクトする気持ちは
変わらない*1
同じ会社か、違う会社かも関係ない。


彼らに共通することは、仕事や自分の行動、もっと
いえば生き方について、自分なりの考えを持っているか
どうかという点だった。
より強く言うと、自分なりの哲学を持っているか
どうかだった。
彼らは、その哲学に則り、実際の行動を起こす。
しかも、徹底的にやる。


−XPが良いと思うから、XPで開発するんだ。
−会社の風土を変える。
−仕事よりも俺は家でギター弾いてる方が幸せだ(だから仕事を効率良く片付ける)。
−社内のシステムが使いにくければ、ハックすればいい。


さて、私はかつて29歳だった先輩のことを、今はもはや
思い出しすらできない。
私は、今度入ってくる新入社員の記憶に残る、仕事人で
居られるだろうか。
それには、まずは、彼らと、飲まねばなるまい。
美味しいサムゲタンの店を紹介しようじゃないか。

*1:これは、もはや、リスペクトを越えて、ラブかもしれない。