The Dragon Scroll

Be just and fear not.

インセプションデッキで植えつけられた前提をあぶりだす

 HangarFlightでの発表でも話したけど、インセプションデッキがあの時あれば…ということに
気づくことがある。例えば、顧客が開発における要求の、優先事項を決めるという話。

 何が優先事項となっているかは、顧客が中心となって決める。ところが、顧客がその判断のために
十分な情報を集めているという保証は当然ながら無い。判断のために十分な情報を得ているか
確認する、さらに、仮に情報量が不足しているならばそれを補うよう、顧客側に働きかけるまで
開発側が動くことは、なかなか容易なことではない。なぜなら、自分自身で作っている前提
(この場合だと、"顧客は自分が判断するために必要な情報を得ている、という前提")を発見し、それを
揺さぶれるかどうかなのだから。
 ところが、2011年の開発の現場を生き抜く、我々はインセプションデッキを既に手にしている。
インセプションデッキを構築する過程で、このシステム開発で本当に何を優先するべきなのか、
顧客も私たちも含めて、気づくことが出来る。
 最近、ユーザ企業の方と話をしていても、このインセプションデッキの有用性について耳にする。

 助かった! これで私たちは、ソフトウェア開発において路頭に迷うことはない、と言えれば話は
簡単だが、我々の居るリアルワールドは、本を読みさえすれば明日から使いこなして成果を上げ
られるという程、生やさしい世界ではない。
 実際の案件で適用しようとすると、手が止まることに気づくだろう。あるいは、大コケして手を
出したいと思わなくなるはずだ。インセプションデッキを使いこなすには、相応の練度が必要だと
分かる*1。具体的にはどういうこと?やってみると、分かる。
 とはいえ、状況が変わっているのは確かだ。道具はある。練度を上げながら、探っていこう。

*1:世の中にはインセプションデッキの構築をコーチングしてくれる稀有な会社があるらしいよッ Don't miss it!!