The Dragon Scroll

Be just and fear not.

SI企業がIT企業になれない4つの理由。

IT企業とSI企業を明確に分けて考えたとき、疑問に思うことがある。
それは
なぜIT企業にはできて、SI企業にはできないんだ
ということ。
IT企業が手がけているサービスや試みに対して、なぜSI企業は
無縁であり、あるいは無関心なのか。


ここでいう、IT企業とは、独自のサービスや製品などを自前で
所有し、その提供によって主な収益を得る企業であり、
SI企業とは、言わずもがな、SIビジネスで収益を得る企業である。


だから、IT企業の企画するサービスに必要なシステム開発
SI企業が担当とするということは、ままある。
こういう案件を担当したり、話を見聞きする中で、
思ったのが、冒頭に上げた疑問。


SI企業は、そのリソースの面から有利であると思っていた。
具体的には、以下のとおり。
(1)開発要員の確保
  社内に十分な開発のリソースを有している点。
(2)ノウハウの活用
  これまで蓄積してきた開発に関するノウハウの活用。
  業務知識、技術、プロジェクト運営、その他諸々。
(3)新規ビジネス参入の体力の保持
  本業はSIである。新規サービスが失敗しても
  すぐに食うに困るわけではない。早い話が金がある。
(4)既存顧客との関係性
  手がけるサービスにもよるが、既存顧客へまず
  アプローチすることができる。この点は、
  大きなアドバンテージ。活用しない手はない。
これらの強みは、ビジネス規模が大きいSIer程、より
大きな強みなると考えられる。
リソースはそろっている、後は、頭を使うだけではないか。


ところが、最近これら、強みと思っていたことが
実は足かせになっているのではないかという自分なりの
回答を見出し始めた。

(1)開発要員の確保
  社内に十分な開発のリソースを有している点。

 実は開発できるリソースなんてない。
 それは開発ができるエンジニアが不足しているという点と、
 目の前のプロジェクトでリソースを食いつぶしているという事実。

(2)ノウハウの活用
  これまで蓄積してきた開発に関するノウハウの活用。
  業務知識、技術、プロジェクト運営、その他諸々。

 本当にノウハウを蓄積できているのだろうか。
 そもそも蓄積できているのであれば、もう少しデスマ案件がなくなっても良いのでは
 ないかと。蓄積できても活用できていない可能性もある。これはSIer次第。

(3)新規ビジネス参入の体力の保持
  本業はSIである。新規サービスが失敗しても
  すぐに食うに困るわけではない。早い話が金がある。

 本業がSIということが、新しいビジネスの立ち上げを妨げる
 固定概念になってしまう。
 早い話が今のままでも儲かる。目の前のことだけ考えるならば
 特にリスクを負う必要性がないと考えてしまう。

(4)既存顧客との関係性
  手がけるサービスにもよるが、既存顧客へまず
  アプローチすることができる。この点は、
  大きなアドバンテージ。活用しない手はない。

 (2)と関連する。
 既存顧客へのニーズに答えていくためには、保守要員を
 確保している必要がある。これがリソース不足を招く
 要因となっている事実。
 これは、まさにイノベーションのジレンマ


SI企業がこのままのビジネスモデルでSIを続けても
あまり明るい未来は見通せない。
様々な選択肢を模索して、自分たちは変わっていく必要がある
切に感じている。
できない理由はたいがいあげられるものだ。
後は、自分たちがどうやってそれを乗り越えていくかだ。