The Dragon Scroll

Be just and fear not.

何をしているのか?

ドラッカーの本を読んでいると、よく3人の石工の話が出てきますね。
どんな話かというと、3人の石工に対して、それぞれ何をしているか
聞いてみたところ、
一人は、
 「これで食べているんだ。」
もう一人は、
 「国中で一番腕のいい石工の仕事をしているんだ。」
最後の一人が、
 「教会を建てている」
と言ったというお話。
一人目も二人目も、自分の目の前の仕事のみが見えており、それが
成す意味も本人にとってはどうでも良いのだ。
最後の一人のみ、ミッションを理解し、自分のしている仕事の意味を
知っている。


この石工を、エンジニアに置き換えてみる。
ある、PJに属して、忙しそうに働いている3人のエンジニアに何を
しているか尋ねてみる。
一人は、
 「これで食べているんだ。」
もう一人は、
 「社内で一番腕のいいプログラマの仕事をしているんだ。」
最後の一人が、
 「顧客が望むシステムを構築しているんだ。」


大規模なPJになるほど、その中にいるエンジニアは、歯車の
一つになる可能性がある。
自分を犠牲にして、あえてPJの歯車のように仕事を
しなければならない時があるかもしれない。
しかし、恐ろしいのは、本人がそのことに気付かないケースである。


自分のしている仕事の意味を知らない。
目の前の仕事や工程さえこなせば、それで良いし、他のことは
気にもしない。というのでは、かなり寂しいし、危険だ。
若いエンジニアは得てして陥りがちだが、それを看過しないのが、
我々(多少年を食ったエンジニア)の役割なんだろうなと思う。