The Dragon Scroll

Be just and fear not.

システム開発の未来(1) 〜超えられない壁

営業が案件を受注し、SEが顧客から要件を聞き出し、システムを
開発する。
試験工程を終え、リリースに至って、売上が計上される
(途中、トラブルを起こしつつ解決しながら)。


こうした、SIビジネスはこれからも続いていくんでしょうね。


SIにかかるコストの大半は、人件費であり、経営者はその削減を
考える。例えば、製造工程は協力会社に発注して、製造原価を
下げる。あるいは、オフショア開発を考えてみる。
もっと、言えば、別会社に丸投げをする。
自社は、中間マージンを抑えて、いかにもPJを管理しているように
見せておけばよい。
一応、ISOに則って、ISOのためのドキュメントを作成しておく。
ISO標準に則っているとアピールすることができるからだ。
案件を獲得することができるかもしれない。


しかし、ノウハウは蓄積されない。
顧客が投資してまで、手に入れたい、最終成果物を構築する
ノウハウが。
PJをデスマにさせないノウハウが。
顧客をがっかりさせないノウハウが。


組織にとっても、重要な課題ですよね。


エンジニアにとってはどうだろう?


エンジニアの根っこは職人だ。
自らの成長を感じることができない場所で、満足感を得ることは
難しいだろう。
PJ管理という名の雑用をこなすだけのエンジニア。
設計ができないエンジニア。
コードを書けないエンジニア。


エンジニアにとっても、重要な課題になるんだ。


顧客にとってはどうだろう?
顧客は、例えば、業務改善の一環でシステム構築に投資をするのかも
しれない。
しかし、元請の動きは鈍いし、システムに対する要望はいつまでも
反映されない。
問いに対し何も解を示せれず、レスポンスがあきれる程悪いSIer
それでいて、追加費用に関してはきっちりと請求する。
障害発生時には、何もできないSIer


顧客にとっても、重要な課題ですよ。


システム開発の未来はどこにあるんだろう?


やはり、コードと顧客の距離は短くなければいけない。
その距離が縮まる工夫と努力が必要だ。
もっと、ユーザとエンジニアの距離が短くなければならないはずだ。


しかし、業界の評価には、SE>プログラマーという事実がある。
上流>下流という事実も。
この業界の常識が、実に大きな壁となっている。
この壁は、超えられそうにもないようだ。


本当にシステム開発に未来はあるのか?