The Dragon Scroll

Be just and fear not.

Web2.0時代のケータイ戦争―番号ポータビリティで激変する業界地図 (角川oneテーマ21)

番号ポータビリティ制度施行が目前にせまった今、既存3社を
中心にウィルコム、開発メーカーを含めた、ケータイ業界の
現況と展望を詳解する一冊。


最新のケータイ事情に疎かったので、かなり面白く読めました。
少し紹介をしておきます。


auに関して。
章タイトルは、『業界に衝撃を与え続けるau』。


私は、ケータイをauにしています。何となく、料金が安いイメージが
あるんですよね。
ただ、先日ショップで説明を受けると、何とソフトバンクが今、
一番割安らしいです(私にとっては)。
ここが、auの戦略の妙ですね。


料金が安いauという刷り込みが発生しているのです。
パケット定額にしろ、家族割のような何とか割を先行して
始めたため、『安いのはau』というイメージが出来上がっている
のです。


しかしながら、本書でも書かれておりますが、番号ポータビリティ制度を
迎えることで、各社はサービスと料金について、一層のしのぎを削るはず
です。
ということは、特にキャリアを変える必要もなく、待っていれば、
各社均一のサービスと料金に自然と近づいていくということに
なります。
(ちなみに、均衡理論は近代経済学の初歩で習うところです)


さて、章タイトルに戻ります。
衝撃を与え続けるau。


ケータイ業界に疎い私は、気付きませんでしたが、auは、
Web2.0企業になぞらえば、Googleにあたる存在のようですね。


他社に先駆けたサービスや料金の提供。
しかも、そのサービスは無料で提供する。
その本家のグーグルとの提携は、本書によると、ソフトバンク
による買収記者発表よりも注目度が高かったとか。


さらに、auは、新しい通信ネットワーク「Rev.A」を
今年の12月には導入する。
これは、上りの通信速度を、1.8Mまで格上げするというもの。
Youtubeを買収したGoogleと、KDDIは、動画の分野でも
何らかの新しいサービスを展開するかもしれませんね。


ユーザは、ケータイから容易に動画を取り、Webにアップすることが
できる。その動画を共有する仕組みに関するノウハウも既に
あるわけですから。


auの動きには今後も要注意ですね。


・・・と考えて、ショップに足を運んだんですが、
目についたのは、ソフトバンクケータイの秀逸なデザイン。
かなり予想外でした。