国家の品格 (新潮新書)
- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/20
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 255回
- この商品を含むブログ (907件) を見る
読みました。
あまり流行り物は、あえて読まない方なので、一読が遅れて
しまいましたが、感想は、
読んでおいて良かった。
このまま読まないままにならず、良かったです。
なお、新渡部稲造の『武士道』の引用が随所でされていますが、
私は、同じく新渡部さんの『自警録』が大事にしている一冊です。
『国家の品格』では、「論理よりも大切なことがある。」
「論理では説明できないことがある。」ということを繰り返し説いて
います。論理を超えるもの、それは情緒であると。
私が職種としているシステムエンジニアなどは、論理の権化といった
ところでしょうか。
論理的思考や行動が必要とされ、またその類の書籍や研修が
数多あります。
実際、システム開発みたいな、デリケートな作業には、論理的思考という
のは不可欠です。論理を完全否定することはできません。
ロジックを積み重ねて成果物を生み出した時の満足感は、エンジニア
にとって無上の喜びです。
それとは別の次元で、著者の主張は、とてもすんなりと受け入れることが
できる。寧ろ、ほっとした。
「ならぬものはならぬものです」
本書でも引用されている、武士道における言葉。
許されないことに理由などいらない。
理由をあえていうならば、それは「卑怯」だから。
論理的ではないですよね。しかし、心にぴたりと収まる感じがします。
何よりこの本が売れたという事実が、嬉しかった。