The Dragon Scroll

Be just and fear not.

プログラマ主役型プロジェクトのススメ ?ソフトウェア開発現場で本来の力を発揮するために?

この書籍を読んだ頃、システムエンジニアの仕事について悩んでいた
ときでした。


プログラムを作るわけではないので、システムの裏側の詳細な
動きや、メイキングに関する工数の算出については開発者の方が
詳しいわけです。
顧客と話をするとき、言葉に詰まる瞬間がありました。
「この画面、こうしたいんだけど、どのくらいかかる?(工数)」
ある画面に、あるデータをテキストエリアに表示したいという要望に
対し、私は悩みます。
(出したいデータって、このタイミングで見れるのか?確か見れないぞ?)
(このシステムのテキストエリアとか、ボタンってサードパーティ
 コンポーネント使ってるんだよな。単純に追加できるかな?)


顧客に対しの発言は、確固たる裏づけがなければならない。
私は、宿題としてもらいました。
このようにして、他にも宿題を抱え、重くなっていくのです。
結局、開発会社さんに、時間をなんとか割いてもらって、相談する
ことになります。


私は思いました。
「SEって何のためにいるんだ?」


顧客と開発の間に立って、課題の調整をするかもしれない。
外部設計書を作るかもしれない。
進捗を管理するかもしれない。
これらの仕事を否定するつもりはないが、私は、何か欠けているまま
仕事をしているような気がして仕方がありませんでした。


この書籍は、冒頭、このように述べています。
プログラマこそプロジェクトの主役だ」


「顧客は、最終的には提案書でもなく設計書でもなくテスト仕様書でもなく
 プログラムコードを求めている」
顧客は、リアルな動くシステムこそ求めているんだ。
投資を行う目的は、それなんだ。
私は、何か満たされていなかった気持ちが、埋められているような
思いがしました。
プログラマこそ、動くモノを創造することができるのです。


「SEの仕事、少なくとも、私のやる仕事には、ここまでやれば
 良いという境界は無いんだ」
と考え、プログラムソースを把握することに努めました。
全てのプログラムを知る時間など、とてもありません。
とにかくシステムの中で要所をきっちりおさえるようにしました。
時間的に余裕が生まれる日があると、少しづつ、テリトリーを
広げていくようにソースをおさえていきました。
日々の負荷は高くなります。しかし、私は、手ごたえを感じることが
できました。


「SEの仕事って?」と、悩まれる3年目くらいのエンジニアの方や、
コーティングをしたこともないSEの方々に、この本をお勧め致します。