DevLOVEの11年を振り返る(後篇)
DevLOVE Xタイムテーブルを公開しました。
DevLOVE X 〜 それぞれの10年、これからの10年 〜
お申込みはこちらから。 https://devlove.doorkeeper.jp/events/78730
さて、DevLOVE10年のふりかえりを続けます。
2014年(開催数35)
この年にギルドワークスという会社を立ち上げました。その結果、DevLOVEの開催数は徐々に減りました。会社の立ち上げにほぼすべての時間を注ぎ込んでいたからです。そんな中でも開催したのが現場甲子園2014。この年の甲子園は東日本、西日本それぞれで開催。年末に日本シリーズ的に東西代表が集まりました。
「1年に1回は大きな場づくりを行う」というDevLOVEの伝統?を2014年も継続させていました。
2015年(開催数11)
この年はわずか11回の開催。いよいよコミュニティの活動は低調になります。この頃になるといわゆる運営メンバーと言えるのは、ほぼ私と新井さんと、上野さんくらい。「コミュニティとしての役割を終えたかもしれない」と考えていたように思います。そろそろ潮時、おさめ時を測る…ようなそんな時期でした。
とはいえ、年末に現場甲子園2015を開催しています。ただ、コミュニティとして、往年の勢いは失っていました。
2016年(開催数5)
いよいよ開催はわずか5回!2年目の2009年の開催数(9)を下回っています。さすがにDevLOVEは終わったものとして、自分の中で位置づけていたように思います。
コミュニティとは、イベントさえやれば成り立つ場というものではありません。場作りが減っていくほど、モーメンタムが落ち...そんな状態で思い出したようにやったところで、人も熱量も集まりません。そうなると次の場づくりが遠くなってしまう。ますます、コミュニティとして活力を失っていく循環が回ります。
コミュニティ運営の鍵は単純接触回数にあります。
2017年(開催数9)
まだ、DevLOVEやっているの?そう、2017年もコミュニティは続いてました。終わったコミュニティがなぜ?私も自分ではっきりと分かっていないのですが、おそらく200回記念まではやろうと考えていたように思います。200回続けて、終える。大団円させるにはこれ以上の機会はありません。
まずは199回。
199回は若者に主役になってもらおうと、そういう趣旨で開催しました。コミュニティとしては終わりかもしれない。だから、最後に若者同士をつなげることができれば、次に繋がるを何かを残せるかもしれない。もうそんな思いだったように思います。大きな場をやる運営力も既に無く。辛かった。
そして、200回。
開催は2017年6月17日。DevLOVEを始めたのは、2008年6月21日。ちょうど、9年の歳月を重ねて、記念日ごろに終わろうという思いの現れですね。テーマタイトルは、Bridge。これも2008年の初回の場とあえて同じ名前付けです。
ファーストとラストをあわせる。Bridgeに始まり、Brigeに終わる。人と人が交わる場は泡沫のごとくただ消えていくものかもしれない。でも、コミュニティで起きたこと、出来た関係性は、現実に存在したものだ。きっと形も変えながら続き、そしてそれぞれで広がっていくはずだ。そんな願いにも似た思いを込めて。200回をやりきりました。
2018年(開催数56)
めでたし、めでたし…と思ったら、ミラクル。DevLOVEは終わらなかった。この年の開催数は56!むしろ、過去最高です。
一体何が起きたのか?「カイゼン・ジャーニー」でした。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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新井さんとの共著。2月7日の発刊。本を出したからにはいろいろと伝えたいことがある。つまり場が必要だ。僕らには既に場がある。もちろんDevLOVEだ。というわけで、カイゼン・ジャーニーがガソリンになって、沈んでいたコミュニティを浮上することになります。
カイゼン・ジャーニー関連のDevLOVEは20回以上。それでも56回は尋常な開催数ではありません。もう一つ起きたのは、カイゼン・ジャーニーを媒介にして出会うことが出来た人たちで、DevLOVEの運営を再開したこと。それまでのDevLOVEでのテーマ設定は圧倒的に私が多かったのですが、この年からは他の方々がそれぞれの思いで場作りをはじめました。それゆえの過去最高開催回数。
先程のコミュニティ・モーメンタム理論(場づくりが減ると勢いが失われて、中途半端に場作りを行ったところでどうにもならない)は逆もあてはまります。とことん場が作られ始められると、プラスの勢いが生まれる。明らかにコミュニティとしての活力を取り戻すことが出来たのでした。
2018年に起きたことはこのスライドでまとめています。
そして、欠番として置いておいた201回目も勢いに乗って開催。199回、200回、201回はそれぞれに意味をもたせて開催するつもりでいました。199回は若き越境者の回。200回はそれに+1回なので、越境者として一つ先の世代による回。201回目は、さらに+1回なので、未知なる越境へと踏み出す人たちの回。
200回、そして欠番にしていた201回という心残りも終えることができました。
2019年(開催数9)※2019年5月18日時点
というわけで、DevLOVEはいまだ続いています。その結果、10周年を越えて、11周年を迎えられます。
今回なぜ11周年の機会に10周年をやるかというと、運営チームが立ち上がるのを待ちたかったからです。10周年記念をやるには一人や二人では到底ムリ、運営力を取り戻す必要があります。2018年をその時間にあてようと考えました。
DevLOVE Xが開催できるのは、まず第一に登壇を引き受けて下さった歴代の講演者の皆様のご協力が何よりもあります。そして、第二に、この運営チームが立ち上げられたところにあります。運営チームが立ち上がらなければ、Xという場はありませんでした。コミュニティのファウンダーとして、登壇者そして運営チームの皆様に感謝致します。そして、2008年にたった2人ではじめたコミュニティが、こうして盛大な場を作ることができるのは、この10年をさまざまな方々に関与、協力して頂いたからに他なりません。本当にありがとうございます。
思い起こせば…実に多くの出会いと、別れがありました。10年、11年という歳月は私にとっては所属していたどの会社の年数よりも長く。恐らく、越えられることは無いのだろうと思います。それほどの距離なのだから、思い起こすのに十分なだけの悲喜交交があります。DevLOVEという場をつくり、続けてこれて、本当に良かった。
2019年6月22日-23日。DevLOVEがこれまで積み重ねてきた11年を、目の当たりにしていただきたいと思います。