「カイゼン・ジャーニー」という本を書きました。
2017年の後半は書籍づくりをしていました。「カイゼン・ジャーニー」という本が2018年2月7日に出る予定です。
プロダクトづくりを上手くやっていくためにはどうしたら良いか?いろんな問題に遭遇しますね。チームで開発するためにはどうやる、開発チームの外側にいる人達(プロダクトオーナー、ステークホルダーetc)とはどうやる。
しかも、まだこれから周りを巻き込んでいかないといけない、なんて状況(つまり一人きり)だと何からどうやって始めるのか難しく感じることでしょう。
「でも、やるんだ」と。思いに駆られている人に向けて書きました。自分自身のこれまでを思い起こしながら。一人のときはどうしていただろう。はじめてチーム開発をしたときは? チームの外へ越境したときは何が助けになったのか、と。
カイゼン・ジャーニーはソフトウェア開発、チーム仕事するためのガイドラインであり、置かれている状況を変えるための越境の手引書とも言えます。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
以下、amazonに書いている内容から。
【本書の特徴】
・現場のストーリーから、考え方とプラクティスを一緒に学べる
・1人でも始められる業務改善の手法から、チームマネジメントの手法まで解説
・日本の現場を前提にしているので、実践しやすい
・アジャイルをこれから始める人だけでなく、もっとうまく実践したい人にも最適
内容を「ストーリー」と「解説」に分けて構成することにしました。一人→チーム→チームの外へと、段階的に取り組みを段階的に広げていく状況に対応したかったので、何らかの物語が必要と感じました。ある物語を追体験することで、どういう状況のときにどんな手段を、どうやって取り入れるべきなのかの理解を深める。
ただし、お話だけだと実践にあたっての説明としては不足します。対応する詳細な解説を記述しました。
また、お話も全くゼロから創作するとリアリティに欠けそうだったので、著者の経験を棚卸しして、組み合わせて、編集して、ストーリーとしました。だから、内容そのままがノンフィクションというわけではないけど、全くのフィクションでもない、となっています。
【本書に登場するプラクティス】
モブプログラミング / バリューストリームマッピング / ユーザーストーリーマッピング / 仮説キャンバス / ハンガーフライト / カンバン / 期待マネジメント / リーダーズインテグレーション / ファイブフィンガーなど
扱ったプラクティスは手元集計で61個。まだ日本語でまともに文献になっていないプラクティスも含まれています。
【あらすじ】
ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する江島は、
問題だらけのプロジェクト、やる気のない社員たちに嫌気が差していた。
そんな中、ある開発者向けイベントに参加したことがきっかけで、
まずは自分の仕事から見直していこうと考える。
タスクボードや「ふりかえり」などを1人で地道に続けていると、
同僚が興味を示したため、今度は2人でカイゼンに取り組んでいく。
ここから、チームやクライアントを巻き込んだ、現場の改革がはじまる。
チーム内の軋轢、クライアントの無理難題、迫りくるローンチ……
さまざまな困難を乗り越え、江島がたどり着いた「越境する開発」とは。
江島という主人公の視点を借りて、ストーリーをつくっています。SIerの文脈と、事業会社でサービスを開発する文脈にはだいぶ開きがありますが、本書内ではどちらの立場の方でもリアリティを持って読めるよう構成したつもりです。
【目次(抜粋)】
●第1部 一人から始める
・第1話 会社を出ていく前にやっておくべきこと
・第2話 自分から始める
・第3話 一人で始めるふりかえり etc
●第2部 チームで強くなる
・第9話 一人からチームへ
・第10話 完成の基準をチームで合わせる
・第11話 チームの向かうべき先を見据える etc
●第3部 みんなを巻き込む
・第20話 新しいリーダーと、期待マネジメント
・第21話 外からきたメンバーと、計画づくり etc
全部で、27話あります。 これだけの内容を書き終えるためには相当な腕力が必要となります。共著者は、友人であり、いまや同僚でもある 新井さん。 新井さんと私のタッグですから、emotionalに溢れる仕上がりになっています。ぜひお手に取ってみて頂きけましたら幸いです。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: Kindle版
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なお、2018年のデブサミでも、カイゼン・ジャーニーでお話をいたします。
http://event.shoeisha.jp/devsumi/20180215/session/1626/
「カイゼン・ジャーニー 〜たった一人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで〜」
自分の開発現場のやり方を変えたいと思ったことはありませんか?開発をアジャイルにしていくことをはじめとして、良いソフトウェアをつくるための取り組みは人をワクワクさせます。幸いにして、世の中にはやり方の説明が溢れています。
でも、適用しようとして上手くいかない、あるいは適用できそうにないとやる前から諦めたことも、ありませんか。その理由はきっとさまざまだと思います。やったことがないので実践は不安だ、一緒に取り組む仲間がいない、組織の考え方とあっていない。
このセッションでは、どのようにして自分の場所を変えていくのか、私たち自身の物語を通じてお伝えしたいと思います。そう、変化は「たった一人から」でも始められます。
【境界のある開発、越境する開発、ソフトウェアの共創】市谷 聡啓
私は、開発チームをアジャイルにしていく、そして、チームの外側とは協働を進めていくためのやり方とあり方についてお話をします。具体的には、前例や分業にとらわれることなく自分から踏み込んでいく「越境」と、考え方の違いや役割によって活動領域を分け、守るべきものを守るための「境界」についてです。相反するこの2つの考え方と行動に一貫性を持たせるのは容易なことではありません。大切なのは、ソフトウェア開発の根っこにあるのが「共創」だということを、思い出すことです。
【カイゼンジャーニー、僕が越境できたわけ】新井 剛
これまで私が実践してきた組織カイゼンや、より楽しく仕事をする方法を紹介します。社内で実践している「モブプログラミング」や「モブワーク」の秘訣、全プロダクトで実践した「バリューストリームマッピング」、会社に浸透している「見える化&カイゼンマインド」などを紹介していきます。会社やプロジェクトの背景や問題を認識しながら、ひとつずつ、一歩ずつ、ときにはパッションや熱量という加速装置を使いながら、変化していった奇跡とその技をお伝えします。
ぜひお越しください。