The Dragon Scroll

Be just and fear not.

違いに向き合い続けたことで、前進をしてきた。

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最初は、恐る恐ると慎重に始めたことも、何度も何度も繰り返すうちにだんだんと自分なりの型ができ始めてくる。例えば、アジャイルとよばれる考え方を始めて開発に取り入れ、実践していくときには、とてつもなく頼りのなさを感じることだろう。失敗と感じることもたくさんおきる。

しかし、何度かの失敗、何度となく自分たちの成果と活動をふりかえることで、だんだんとこうすると上手くいきそうだという勘所を宿し始める。さらに積み重ねると、基本形はもはや大きくは変わらず、随所の調整をしていっているような感覚になる。ゆえに、以前よりも迷い、試行錯誤することが減り、全体としての速度は上がっていく。

開発プロセスだけではなく、仕事における様々なことには、型作り・型発見の指向性があり、上手くなるよう磨いていくものだと思う。結果仕事が早くなると、ますます仕事を手掛けるようになる。仕事は増えていく。応じて成果もあがっていく。仕事と忙しさのモーメンタムは強まり続ける。気が付くと、いや逆に、気付けなくなる。自分の手元しか見れていないという事実に。

そのことに気づくのは、自分の型が通用しない仕事に直面したときか、目線を自分の手元から外したときだ。目線を自分から離すと、他者が見えるようになる。他者が見えると、自分との違いが見えるようになる。違いそのものを、良い悪いと評価してもあまり値打ちはない。ただ、その違いの先にあるものが何で、その何かを自分も手にしたいのならば、違いに向き合い、受け止め、自らに取り込んでいくことになるだろう。

自分の手元から目線を外すのは意識的に行なう必要があるかもしれない。仕事が上手くいき、忙しくなるほど、手元に釘付けになる(なにせ早くこなさなければいけない)。だから、違いを集め、違いを目の当たりにできる場を作り、維持するようにしている。私でいえば、それはDevLOVEと名前付けした場だ。「開発現場のDiffを取る」という奇妙な表現でありながら、言わんとすることは何となくわかる行為を行えるように。

一番最初のDiffを覚えている。一番最初は、会社の中、部署の間でDiffを取った。とてつもなく興奮した。同じような課題が隣の島にも起きていて、独自の工夫をしていたり、あるいは課題が解決できないままでいる、そこで自分の工夫が生きるかもしれない。

二番目のDiffは、会社を飛び出し、他の会社とのDiffだった。会社間にあると信じていた鉄壁は、ただの思いこみでしかなかった。そうやって、Diffを取りつづけ、その機会を増やしてきた。

長らく続けてきて、さらに違うDiffが取れることに気付いた。それは、時間軸でのDiff。かつて、最初のDiffを取ったときにそばにいた仲間は、いくつもの現場を経て、今はとある新興サービスの立ち上げ責任者を務めている。また、別の仲間は組織に思い悩んでいた時から、いく年も経て、とあるスタートアップのCTOを務めている。私自身もまた、いくつもの因果を経て、自分たちの会社を作り運営している。違いに向き合い続けたことで、前進をしてきたことにきづく。

さて。また、次へ。*1

*1:これは「diff」 DevLOVE Advent Calendar 2015 - Adventarの2日目のエントリになります