ソフトウェア開発のジレンマからの解放。
システムは、企業の競争力に直結するものと、そうでないものとに
分類することができる。
例えば、旅行業者にとって、旅行の予約サイトの利便性、
機能性は、競合他社に対する強みとなるだろう。
配送を営む会社にとって、物流管理システムは、ミッションクリティカルな
システムである。
これに対して、旅行業者や配送会社にとって、社内の
事務ワークフローシステムが、競争力に直結するだろうか。答えは否だ。
だからといって、競争力に直結しないシステムが、
不要な訳ではない。
例えば、事務ワークフローの利便性が悪ければ、それだけ
社内の事務処理に時間がかかり、本業の足を引っ張り
かねない。
業務の改善、効率化が不要なわけではないのだ。
ドラッカーがいうように、自分たちの強み(コアコンピタンス)にこそ、
力を注ぎ、それを発揮していかなければならない。
それをもたらすIT投資をするべきで、そうでないものに多くの
予算を取る必要性はない。それが、コアコンピタンスの足を
引っ張るようでは、自らの首を絞めるようなものだ。
競争力を生むわけではないが、不要なわけではないシステム。
この分野にこそ、SaaSが生きてくる。
ユーザにとって、ソフトウェア開発からの解放であり、
ジレンマからの解放でもある。