The Dragon Scroll

Be just and fear not.

SIerがシステムではなくサービスを提供するとき。

顧客にとってすれば、システム自体には価値が無い。
システムが動いてこそ、
動いて自分たちにサービスや機能を提供してこそ、
提供して自分たちの業務が効率良く回ってこそ、
(あるいはサービスによって生活が利便になってこそ)
価値がある。
システムは手段の一つだ。
他の手段で効果的に価値を手にすることが
できるのであれば、システムは不要になる。


システムは金がかかる。
存在するだけで、メンテナンス費用奪っていく。
システムを利用する必要はあるかもしれないが、
本来顧客が、システムを所有する必要はないだろう。
ましてや、そのシステムが、Javaで出来ていようと
Rubyで出来ていようと、
開発プロセスが滝だろうと、アジャイルだろうと、
関係ないはずだ。
ソフトウェアの保守費用や、システム拡張のための
コストを将来に渡って抑えられるかどうかが
関心事だろう。
価値に見合った対価を払って、自分たちが使いたいときに
使えたらそれで良いはずだ。


であるならば、システム自体は、システム屋が
所有すればいい。
システム屋が顧客の情報システム部門の代わりになる。
システムを創る方法は、システム屋に委ねられる。
Javaだろうが、Rubyだろうが、
滝だろうが、アジャイルだろうが
システム屋がベストと考える方法を取ればいい。
顧客には、システムではなく、サービスを提供する。


長らく、考えていたことがあった。
自分は、この先20年も、これまでと同じ人月計算の
SIビジネスをやっていきたいのだろうか、
と考えていた。
SE1人=1人月=○○円という世界で、
本当に、良いモノが創れるのだろうか。
本当に、顧客に価値が提供できるのだろうか。


SIerが次のビジネスモデルに挑戦するときが既に
来ているはずだ。
そこにはきっとイノベーションのジレンマ
あるだろう。
それを越えられるかどうか。
それは、どこか遠い世界の他人の話ではなくて、
自分自身の課題だと思っている。