The Dragon Scroll

Be just and fear not.

アクションラーニングで問題を解決する。

土曜日、アクションラーニング実践会に参加してきました。
10時から17時までの1日がかりのセミナーです。
場所は、渋谷。


そもそも、私はアクションラーニングのことを、
全く知りませんでした。
今回、参加した理由は、社内のファシリテーション勉強会で、
アクションラーニングが取り上げられることになったためです。
勉強会でやるのに、何も知らないのでは困るだろうと、思って、
ネットで調べているうちに、実践会開催のことを知りました。
なお、この模様は、エンジニアマインドの7月号で取り上げられる
そうです。ひょっとしたら、私も写真の隅に写っているかも
しれませんね!


アクションラーニングは、ファシリテーションとは
分類的には別物です。
ファシリテーションの一部に、アクションラーニングがある
のではありません。
むしろ、ファシリテーション+アクションラーニングで、
相乗効果が生めないか、検討している段階と言って
良いのではないでしょうか。


さて、アクションラーニングとは、そもそも何なのでしょう。
問題解決手法の一つであり、学習手法です。
現実に抱えている問題を、チームで考えます。
それは、個人の問題であったり、組織の問題であったり
します。
その問題を、チームで検討する、その過程で、
チーム及び、メンバー個人が、学びの力を養成することが
できます。
また、当然、問題自身の解決を図ることができます。


具体的には、問題の定義、解決策の検討、実行計画の策定、
実践行動後の振り返りをチームで行います。
この一連のプロセスを数ヶ月にわたって、数セッション
繰り返し実施する。
それが、アクションラーニング(以下AL)のプロセスフローです。


私は聞いたこともなかったのですが、結構有名な手法なんですね。
米国では、GEのウェルチが、ワークアウトという名称で
同じことを実施していたそうです。
ALの創始者のレグレバンスは、とても良い言葉を残している
ようです。
「行動なくして、学習なし。学習なくして、行動なし。」
そして、行動と学習の結果、自分の中で変化が生まれる。
昨日の自分とは違う自分。
新しい自分に変わる。内面が変化する。
「日々是れ新たなり」という言葉がありますが、
学ぶことは、まさに、是れ新たなりですね。


ALの最大の特徴は、セッションの運営方式にあります。
問題提示者に対して、質問しかしてはいけないのです。
これが、基本。
意見は述べない。
解決策を全員で考える段階になったときに
始めて、「こうしては?」という話ができる。
問題を再定義するまでは、真の問題とは何か?
その問題の本質とは何か?を見極めることに集中する。
よって、重要なのは、傾聴力と質問力。


実際に体感してみて、思ったのが、質問の難しさ。
当然、漫然とした質問をすれば良いというわけではない
から、自分の中で様々なことを考えることになる。
まずは、現状分析。
何が問題なのかを探る。
次に、何が根本的な問題なのか仮説を立ててみる。
その仮説について、検証を行うため、
さらに効果的な質問を考える。
それを自分の頭の中で繰り返すのだ。
これは、相当頭を使うことになる。


ALの最中は、問題提示者にも、質問者にも学びがある。
問題提示者は、思っても見なかった視点が、
質問されることによって浮かび上がり、ハッとする。
また、質問者も、自分の問題に置き換えることが
できて、学びがある。
例えば、ボランティア団体の参加者を募るものの
あまり参加する者が増えない問題と、
社内勉強会で、参加者を募るものの、あまり
参加する者が増えない問題とでは、
対象組織が違いはするものの、傍聴している、
質問者にとっても、新しい発見が生まれることが
ある。


解決策を策定後は、5W1Hベースで実行計画を作る。
そして、日を置いて、その計画に基づく実践行動を
再びチームで振りかえる。
この点、時間はかかる。
実践にあたっては、チームで行うので、チームビルディングが
きちんと行われていないと、上手くは行かないという
話です。
これは、実践して、確かにそう思うところです。
お互いに信頼感が無ければ、誰が、問題をさらけ出し、
質問を受けいれるでしょうか。
質問も的確に行われない可能性があります。


ALは非常に実践的です。
実際に直面している問題を取り上げるところが
良いところ。
あとは、ファシリテーターの役割が重要ですね。
今回は、ホワイトボードを使わうことがありません
でしたが、質問の結果分かったことをまとめるために
ホワイトは必須だと感じました。
今後ともALについて、学んで行きたいですね。