The Dragon Scroll

Be just and fear not.

ふりかえり(10)〜始めての転職

私は、在職したまま、転職活動を開始しました。
入社以降、石の上にも3年の、3年が既に過ぎていました。
新しい夢に、自ずと期待が膨らみます。


しかし、客先常駐で、転職活動を行うのは至難のことです。


私「来週の火曜日、休ませて欲しいんですが…」(←面接です。)
疲れきったPL「…はぁぁぁぁ!?」


そうそう休みは取れません。しかも、PJはいつまでもデスマっているの
です。誰が、休みなんて取らせるでしょうか。
1次・2次面接までは、ある程度日程調整を志望先にもお願いできる
のですが最終面接となると、役員の日程調整があるため、
ほぼ指定されます。


仕方がないので1度、兄弟にも瀕死になってもらったことがあります。
その日のうちに、2件面接をこなしました。


肝心の、転職活動も、最初は躓き続けていました。
選考は、ほとんどの企業で以下のフローを辿ります。
1.書類選考
2.1次面接(人事部)
3.2次面接(現場)
4.最終面接
私は、最初の書類選考から、躓いていました。


後から知ったのですが、世の中には転職の世話を行ってくれる、
「エージェント」と呼ばれる会社があります。
企業側も、年中採用告知を、自社のHP上で行っているのですが、
やはり、中途採用には、
「組み込み系エンジニアの採用を強化します」、とか
「金融系エンジニア急募」、といった
ニーズのタイミングが存在します。
これに合致しなければ、そう易々とことは運びません。
もちろん、会社の求めるスキルに対し、マッチして
いなければなりません。


それでも、数社の内定をもらうことができました。
私としては、客先常駐の重労働・薄給エンジニアから、商流の上位で
エンドユーザと折衝する、元請サイドへ移りたいと考えていました。
定められた路線にただ乗るのではなく、自由なシステムデザインを
行うエンジニアに憧れを持っていました。


私は、あるメーカ系のSIerを選択しました。営業力も知名度
あります。
お給料もあがります。
勤務地は、大阪。自宅の京都から通うことができます。
私と奥さんには、笑顔が戻るようになっていました。


後は、退職の手続きです。
自社に対しては、自分の思いのたけを吐き出しました。
私の意志が固いことを知った会社は、主管ベンダに引き上げを
申し出ます。
そうして、数日たったある日のこと、例のPLに呼び出されました。
この頃には、PJは仕切り直され、いわゆる2次開発がスタート
していました。
そんな状況に、水を差すような動き。
PLに、何を言われるかわかりませんでした。


持ち直したPL「会社辞めるんだって?」
私「はい、迷惑をおかけして申し訳ありません。」
持ち直したPL「そうか…、辛い時期に来てもらって、
 申し訳なかったね。どうもありがとう。」


案に反して、PLからは感謝と激励を受けました。
今でもこのPLのことが忘れられません。


こうして、私は、新しいキャリアを切り開きました。