The Dragon Scroll

Be just and fear not.

Wikiの威力(1)

仕事で、Wikiを使うようになりました。
まだ使い始めて、2ヶ月ですが既に七つ道具の一つに
なっています。
私のWikiに対する見方は、「Wiki=文房具」です。


ワード・エクセルにせよ、モデリングツールにせよ、
自分の頭にある考えを即時に目の前に展開できる点、
情報のストア、あるいはストアされた情報へのアクセスが容易である点
から、Wikiを使うまでは、ノートが不動のポジションにありました。
(当然のことながら、紙とペンさえあれば、どこにいても情報を残す
ことが可能であり、その紙さえあればどこでも情報を取り出すことが
できる。電車の中でも、トイレの中でも)


しかし、紙はまとまった単位で情報を整理する点で劣っています。
顧客の要件を記載したメモと、議事録と、技術的な調査メモ、
Todo等、これらの性質の異なる情報を整理し、長時間保管するのには
向いていません。情報が膨大になり、整理仕切れなくなります。


だから、紙ベースのメモ・情報は、電子ファイルにして残すようにし、
ワードなり、エクセルなり、ツールなりを使うのですが、ここでも
問題があります。

①情報整理が困難になる

例えば、フォルダ構成を工夫し、フォルダ単位で情報を整理するように
したとしましょう。


01_要件定義 フォルダ
 ├議事録
│└議事録20060804.xls
 └概念ER図
  └概念ER図.xls
02_外部設計 フォルダ
 └画面遷移図
   └…
    :

最初はとてもうまく整理できます。
しかしながら、プロジェクトが進むにつれ、この情報整理法は
崩壊しませんか?
プロジェクトの生き馬の目を抜くような状況下で、情報整理に
かける時間と、注意が少なくなり、少しずつ崩れていくことが
あります。


例えば、誤って新たに「99_議事録」フォルダを作成したり、
ISOに基づき、莫大な量のドキュメントが存在するため、
フォルダも相当な量となり、どこに何を置くべきなのかが
見えなくなってくる。
あるいは、2次開発を行ったときに、2次開発のドキュメントは
どのように整理するか?
2次開発用フォルダを構成する場合、1次開発のドキュメントに
対する修正が発生したら、どのように配置するか?
また、最新のファイルの識別や、配置場所をメンバーに通知
しなければならないが、それが漏れると、ドキュメントのデグレ
仕様の漏れまで発生する可能性がある。

②細かいTipsが残せない

粒度の小さいTipsやメモまで電子ファイルで残し、管理することが
面倒なため、最初から残さないことってありませんか?
例えば、Oracleの実行計画をExplainを使って手動で取る場合、
まず何をするのか?覚えていなければ、マニュアルを見たり、
別の資料を見たり、あるいは他の人に聞いたりしますよね。


「ああ、そうだった。このスクリプト実行するんだった。」


問題は解決しますが、この小さなノウハウについては、細かいメモ
レベルになるので、電子ファイルを残さないか、
残しても、整理されたフォルダ構成の中で埋没してしまう…。
フォルダを整理すればするほど(フォルダ構成の単位を細かくすれば
するほど)どこに置いたかわからなくなりませんか。


99_技術資料
 ├Oracle9i全般
 ├Oracle実行計画
 ├パフォーマンスチューニング
   :

というフォルダ構成の場合、Explainのメモはどこに置きますか?
また、後になってどこに置いたか思い出せますでしょうか。
(次回エントリに続く)